あきる野市内で「だんべぇ饅頭」なるものを見つけました。
群馬出身の私はびっくり!
群馬の方言では、末尾に「〜だんべぇ」とつけることがあるのです。
聞いたところによると、なんとあきる野でも「だんべぇ」は地元の方言なんだとか!
「だんべぇ」は群馬特有の方言だと思っていたので、初めて知った時は本当に驚きました!
今回は「あきる野(多摩地域)と群馬の方言の共通点」について書いていきます。
目次
多摩地域・多摩弁について
あきる野の方言をご紹介する前に、多摩地域についてご紹介します。
多摩地域について
多摩地域とは東京都のうち、23区と島しょ部を除いた30市町村部(26市3町1村)を指します。
三多摩と呼ばれることもあり、北多摩・南多摩・西多摩の3つに分けることができます。
私ぽぽが住んでいるあきる野市は、西多摩に該当します。
多摩弁について
多摩地域で用いられる方言で、埼玉県の方言とともに武州弁とも呼ばれるそうです。
私が調べた限りではありますが、多摩弁の一部をご紹介します。
地域によってもまた違いがあるかと思いますが、今回はまとめて一覧にしました。
方言 | 意味 |
---|---|
あに | 何 |
あるってく | 歩いて行く |
うざったい | 邪魔だ、不快だ |
おっぺす | 押す |
がめる | 疲れる |
けぇる | 帰る |
七面倒くさい | 面倒くさい |
じゃん | 〜ではないか |
じゃんか | 〜だよね |
そうかや | そうだろうか |
たっぺ | 霜柱 |
〜だんべぇ、〜べぇ | 〜でしょう |
ちっとんべ | 少しだけ |
ちゃける | 壊れる |
つぶ足 | 裸足 |
どどめ | 桑の実 |
飛んで行く | 急いで行く |
へつる | 削る |
まっかちん | ザリガニ |
まっと | もっと |
群馬の地域・群馬弁について
群馬の地域について
群馬も地域を分けることができ、北毛(ほくもう)・西毛(せいもう)・中毛(ちゅうもう)・東毛(とうもう)の4つの地域があります。
4つの地域に「毛」がついている由来ですが、元々群馬県と栃木県は「毛野国(毛の国)」と呼ばれていました。
そこから群馬県は「上毛野国(かみつけのくに)」となり、そして「上野国(こうずけのくに)」へと名前が変わりました。
栃木県は「下野毛国」から「下野国」と名称が変化しており、群馬県と栃木県を合わせて「両毛」とも呼びます。
ちなみにJR両毛線は、群馬県前橋市〜栃木県小山市を繋いでいる路線です。
群馬弁について
群馬県で用いられる方言で、上州弁とも呼ばれています。
地域によって違いはあるのですが、私の地元がある北毛地域でよく耳にしたものを一部ご紹介します。
方言 | 意味 |
---|---|
あんじゃーねー | 心配ない |
いきあう | 偶然会う |
おつくべ | 正座 |
おやげねー | かわいそう |
かんます | かき回す |
しんぜる | お供えする |
じゅーく | 生意気なこと |
〜だんべぇ、〜べぇ | 〜でしょう |
ちっとんべぇ | 少し |
どどめ | 桑の実 |
とびっくら | かけっこ |
なから | たくさん |
はーけぇるんきゃー | もう帰るのですか? |
ぶちゃる | 捨てる |
ほとばす | 水に浸けてふやかす |
まける | こぼす、中身を空ける |
めかご | ものもらい |
めっかる | 見つかる |
もす | 燃やす |
よいじゃねぇ | 大変、楽じゃない |
わっきゃない | 簡単な |
多摩弁と群馬弁で似ている方言
今回調べたのは一部ではありますが、多摩弁と群馬弁とで共通するものや似ているものがありました。
- だんべぇ(〜でしょう)
- けぇる(帰る)
- ちっとんべ(少し)
- どどめ(桑の実)
多摩弁の「つぶ足(裸足)」は、群馬でも方言として使う地域もあるようです。
「飛ぶ」については、群馬弁では「走る」、多摩弁では「急ぐ」という意味があるので、「飛んで帰る」などと言った場合には、お互いに言葉が通じそうです。
多摩弁と群馬弁が似ている背景を考える
多摩地域である八王子は、生糸の輸出に欠かせない「絹の道」の中継点として発展したそうです。
「絹の道」とは群馬や長野、山梨などから横浜へと続く道のことを指し、横浜から世界に絹糸を輸出するために、八王子には大量の絹糸が集まりました。
もしかしたら群馬から八王子へ絹糸が運ばれる際に、「だんべぇ」などの言葉が定着していったのかもしれません。
ちなみに多摩弁の「じゃん」は山梨県の甲州弁由来という説があるようです。
群馬弁に限らず、「絹の道」を通じて様々な方言が多摩地域に伝わったのかもしれませんね。
- 「絹の道」について:桑都みらい物語(「八王子を学ぶ」ページ)
- 「じゃん」について:朝日新聞デジタル(「『じゃん』は絹の道から?」ページ)
まとめ&写真について
多摩弁と群馬弁の思いがけない共通点に驚きでしたが、方言だけでなく様々な文化がつながっている可能性もありそうで、奥が深そうだと感じました。
写真は、今回多摩弁と群馬弁について調べるきっかけとなった、「だんべぇ饅頭」です。
「秋川渓谷菓子処 桝屋」さんで製造・販売されています。私はあきる野ルピアに入っている、地場産品を扱う「いろどり屋」さんで冷凍で購入しました。
あきる野市発祥の「だんべぇ汁」という料理があるそうで、その写真が載っています。
割ってみると肉まんのような甘辛い肉の香りがしましたが、食べてみると肉だけでなく、のらぼう菜などの野菜も一緒に入っていてとっても美味しかったです!
元となった「だんべぇ汁」も味わってみたいです^^
今後も、あきる野や周辺地域について、様々な角度で投稿していきます。
こんにちは!ぽぽです。
「東京のトカイナカあきる野市」へ、都心の品川区から夫婦で移住してきました。